こんにちは!けーじです
今回は日本ディープラーニング協会(JDLA)から出ている資格「E資格」を受験して合格できましたので合格体験記書いていきます!受験を検討している方の参考になればと思います。
E資格とは
詳細は公式HPを見ていただくのがよいと思いますが、深層学習(ディープラーニング)における理論を理解して、その実装についての知識も問われます。JDLAから出ている資格としては最高位の位置づけで、AIエンジニアやデータサイエンティストと呼ばれる方々に対しては認知度の高いものの一つになっていると思います。
jdla.org/certificate/engineer/
受験のきっかけ
E資格は、3年前にデータサイエンティストを志した時点から取得を目標としていた資格です。E資格を持っていることでディープラーニングについて理論や実装方法をある程度習得していることを証明できて、今後案件への配属などで有利に働くと考えられます。また、純粋にJDLAが定めるシラバスにのっとって深層学習の知識を再整理したいと考えていました。
背景知識
E資格を受験するにあたって自分の関連しそうな背景知識をまとめておきます。受験する際はご自身の状況と差異を確かめながらご確認いただければと思います。
- 学歴
理工系の大学-大学院を卒業していますが化学系です。数学に触れる機会はあまり多くなかったです。E資格では簡単な確率の計算や積分計算ができた方がよいですが、このあたりの知識は後述するIT業界で務めるようになってから、資格試験の勉強を通じて習得したものになります。 - 業務経験
もともとは化学系のメーカーで4年ほど勤務していました。その後IT業界に未経験転職して2.5年ほどが経過します。メーカーで仕事をしていた時はあまり深層学習には直接触れてきていませんでしたが、現場で使用されているのを発表会などで見聞きしたりはしていました。IT業界に入ってからは深層学習に絡む業務も増えてきましたが、あまり実装をすることはなかったかもしれません(AIサービス自体がよくなりすぎた気がします…)。業務中よりは自学習の範疇でそのあたりの理論の勉強や実装をすることが多かったです。 - 資格
E資格に関連しそうな取得済みの資格を挙げておきます- G検定
こちらもJDLAから出ている資格です。GはGeneralistを意味しているようで、一般の方向けの資格という位置づけのようです。実装までは聞かれませんが、深層学習に関する知識を体系的に理解しているか問われます。こちら取得したのが2022年の6月くらいだったと思うので、情報が古くなっている部分もあると思いますが、深層学習の分野に「こんなものがあるよね」と理解しているのはアドバンテージになると思います。 - 統計一級
ブログ記事にもしましたが、2024年の11月に受験した統計一級の試験に合格しています。こちらは数学的な知識をかなり深いところまで問われるため、これを持っていればE資格で登場する数式で理解できないものは皆無だと思います。説明が理解しづらいときに数式から理解しに行くということもちょくちょくありました。 - Google Cloud Professional Machine Learning Engineer
特に記事にはしていませんが、Google Cloudの機械学習エンジニアの上級資格を6月に取得していました。クラウドの資格であるため機械学習をGoogle Cloudで利用するための知識が多いですが、機械学習そのものに対する知識も問われるため、E資格と関係があるとも言えます。混同行列についてはどちらも範囲にあり、大事なところは知識として問われやすいなと感じていました(問題にしやすいだけ?)。
- G検定
学習方法
E資格を受験するにはJDLAの認定プログラムの修了が条件になります。その認定プログラムと別途購入した問題集で勉強をしていました。
- 認定資格
以下のAI研究所さんから出ているe-learningのプログラムを受講しました。
https://ai-kenkyujo.com/ai-e-shikaku/
正直に言いますと価格で選びました。キャンペーンということでしたがこちらは5万円ほどで受講でき、他のプログラムと比べるとかなり割安になっています。JDLAの認定プログラムは数十万することもあるため、価格を気にする方は候補に入れてもよいかなと思います。
内容自体は特に不満はなかったです。試験に出てきそうなポイントを示してくれたのはありがたかったです。注意点としては基本的に動画視聴になるため質問はあまりできないです。受験前に質問会が開催されましたので、その機会に質問するのがよいのかなと思います(私は予定が合わず参加できず…)。こちらのプログラムを運営している株式会社VOSTさんでは対面の形式もあるようなので、そちらの方がよければ検討してみるのもありだと思います(割高にはなります) - 問題集
以下の問題集を使用していました。
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798180663
E資格のシラバスとこちらの問題の内容を確認したところかなり一致しているので、出題範囲を正確に押さえている問題集となります。一つ懸念としては正誤表にある誤植が多めなことです。ある程度内容を分かった状態で誤植に気づけるならよいのですが、そうでないまま読み進めると誤った知識を習得する可能性が出てきてしまいます…。今ではChatGPTやGemini、Claudeを用いれば疑問に思ったことは簡単に調べられると思うので、この記述どうだろう?と思った場合はAIに聞きつつ進めるのがよいと思います。
認定資格を2か月前から受講し始めて、1か月ほど視聴していました。ざっくりですが1日当たり1~2時間ほど見ていたような気がします。その後問題集と動画の復習を1か月ほどして受験しました。2,3週間前は平日で2時間ほど、休日は5時間ほど時間を割いていたと思います。
受験結果
タイトルにもあるように合格でしたが、合格者には分野別の得点率も示されます。自分の場合は以下の通りでした。
応用数学:73 %
機械学習:92 %
深層学習:78 %
開発環境:100 %
こちらを見たときには、応用数学思ったよりも低いな…と思いました。統計一級の時にそれなりに勉強したと思っていたので気を引き締めないとですね。次点で低いのが深層学習ですが、こちらがとれるかどうかが勝負だった気がするので、8割迫ったのはよかったのかなと思います。
難しいと感じたところ
最近は「深層学習」と聞くと、chatGPTに端を発した自然言語周辺の知識が思い浮かぶと思います。業務も私自身の関心もそのあたりが多いのですが、E資格で多く問われるのは画像系だったように思います。このあたりは名前だけ知っていても理論の詳細を知らないことが多かったため、その知識を身に着けることがE資格合格の分岐点だったと思います。同様の状況の方がいらっしゃれば注意していただければと思います。
合格してから
今はデータサイエンティストとして業務に取り組んでいますが、やはり画像系についてはあまり知識が整っていないと思いました。自然言語系は自分で書籍を買いあさって学習したりしていたのですが、画像系は画像認識の学習プログラムを2年前に作ったくらいであまり触れていませんでした。これを機に画像系について実際に手を動かしてみようと思いました。
注意事項
これから受験を考えている方がいらっしゃいましたらシラバスの改定にご注意ください。E2026#2~適用のものがすでに公開されていて、RAGといったLLM関連の知識が多く問われるようになってきそうです。
最後のメッセージ
E資格は難しい部類の試験になると思いますが、取得できると業界に対して強く自分のスキルをアピールできる資格だと思います。LLMの業務適用が盛んにおこなわれている現在ではとっておいて損はないと思うので、迷っているくらいなら取得してしまいましょう!この記事がどなたかの背中を後押しできていたら幸いです。
コメントを残す